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Pro iCAN_logo-03.jpgPro iESL

ProシリーズiESLは、エレクトロスタティック型ヘッドフォンをドライブする最高の方法です。Pro iCANまたはお持ちのアンプでドライブされたPro iESLは、市場にあるエレクトロスタティック型ヘッドフォン用の最高のアンプとでも対等に戦うことができると、私たちは確信しています。その明瞭な特徴は、透明性と、まったく自然でありながら超ワイドなダイナミックレンジです。

お持ちのエレクトロスタティック型ヘッドフォンを最高級車のポルシェにたとえて考えてみてください。ポルシェのエンジンは通常のクルマよりもはるかに大きなパワーを必要とします。エレクトロスタティック型ヘッドフォンも同じです! 「チャージ」される、あるいはもっと正確に言うと、「エナジャイズ」される(エネルギーを与えられる)ことが必要なのです。

伝統的なアンプは、エレクトロスタティック型ヘッドフォンが必要とする超ハイテンション(EHT)電圧やオーディオ電圧を引き出すことはできません。ヘッドフォン内のエレクトロスタティック・プレートを「エナジャイズ」するには、特別な「エナジャイザー」が必要なのです。必要とされる典型的な最大電圧は300Vにも及びます!
Pro iESLは3つの核となる部品を使用しています。そのどれもが、最高の古典的アプローチと最新の最先端テクノロジーを組み合わせて開発されたもので、これによって「完璧にマッチングされた」ヘッドフォン体験が生み出されるのです。

  • 無類のピンストライプ・パーマロイ・コア・トランス
  • バイアス電圧発生装置
  • キャパシティブ・バッテリー電源

Pro iESLの設計についてのメモ

原理的には、エレクトロスタティック型ヘッドフォン用のエナジャイザーというのは些細なチャレンジに過ぎません。必要なのは、エレクトロスタティック型ヘッドフォン用に非常に高い信号電圧を生み出す一組のトランスと、何らかの形態のバイアス供給装置だけだからです。とはいえもちろん、シンプルに見えるものの背後には思いもかけない複雑さが潜んでいるのが常です。
たとえば、20Vのオーディオ信号を、歪率の低い、フラットな周波数特性を持った、不快な共鳴のない640Vの信号に変換することのできるトランスを作るというのは、大変なチャレンジなのです。へたをすると、サウンドに色づけが生じてしまいますが、これはエレクトロスタティック型ヘッドフォンのクリスタルのようにクリアーなサウンドにとってはとりわけ大きな問題となります。
また、高電圧のバイアス供給装置を作るのは簡単に見えますが、このバイアス電圧がヘッドフォンのダイアフラムを動かす力の一部になるのだということを忘れてはいけません。バイアス供給装置に少しでもノイズがあれば、振動するダイアフラムを駆動する力が変動し、そのためサウンドにも影響が出るのです。これは明らかに避けなければなりません。
高電圧が関係するので、回路基板の設計のような些細な作業も、チャレンジとなります。こういった高電圧を制御できなくなるような事態は絶対に避けなければならないからです。したがって、電圧の伝送経路とピンの間にはスペースをたっぷり取ることが必要になり、これによってシンプルな回路基板のレイアウトが突然大きなチャレンジとなってしまうのです。
次に、各スイッチから長期使用における信頼性に至るまで、音質への影響が最小限になるように、多様な要素を確実に選別する必要があります。シンプルなメカニカル・スイッチでは、これは実現できないのです。

トランス

エレクトロスタティック型ヘッドフォンに必要とされる高電圧を生み出すために、Pro iESLはカスタムメイドの最高品質のトランスを使用しています。
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このトランスの性能を決定づけることになる芯の部分は、超薄のGOSS(方向性電磁鋼板)とピンストライプ(細かい縦縞)のパーマロイ・ラミネーションを組み合わせたハイブリッド仕様になっています。芯をGOSS 100%にすると、ローレベルでヒステリシスが生じ、これによって静かなパッセージに歪みが生じてしまいます。一方、パーマロイ100%の芯にすると、ハイレベルにどうしても大きな歪みが生じます。ところが、これら2つの素材を組み合わせると、それぞれが最高の状態で動作することが確保されます。こうして、伝統的な芯(GOSSであろうと、アモルファス鉄であろうと、あるいはこれらと同様の素材であろうと)と比較すると、歪みが劇的に減少するのです。
過度な共鳴や帯域制限なしに高いステップアップ率と素性の良さを組み合わせるために、私たちのトランスは垂直及び水平方向に複雑なマルチセクションの巻き方を採用しています。私たちが要求するパフォーマンスを生み出すには、きわめて細いワイヤーを精確にぎっしりと巻かなければならないのです。
この複雑な巻き方と並外れた芯材の組み合わせによって、あらゆるレベルで歪みがなく、そしてまたオーディオ帯域をはるかに超えた領域でも色づけのない、完全にフラットな周波数特性を持ったトランスが生み出されるのです。
こういった並外れたトランスによってのみ、私たちはトランスレスの最良のアンプのパフォーマンスに近づき、さらにそれを超えることさえできるのです。

バイアス・システム - キャパシティブ・バッテリー電源

一般にバイアス電圧は、50/60Hzの家庭用電源で生み出され、いわゆるグライナッヘル(またはヴィラール)・カスケード整流回路(コッククロフト=ウォルトン電圧増幅回路と呼ばれることもあります)が用いられます。この回路は、一般的な、安価な部品を使って非常に高い電圧を生み出すことができますが、その動作音は非常にうるさいものです。
使われているACの周波数が低いと、大きな容量を持ったキャパシターが必要になる傾向があります。通常は、ノンリニア電気キャパシターが必要になるのですが、これはリーク電流(漏洩電流)が多いので、バイアス電圧が下がるのを防ぐためにカスケード整流回路が常に稼働している状態を保たなければなりません。
iFiはこういった既存のソリューションをすべて完全に捨て去ろうと決心しました。
まず私たちは、 バイアス電圧を供給するために、多重パラレル・フィルム・キャパシターのバッテリーを使おうと決心しました。フィルム・キャパシターは、充填をほぼ無限に保持します。エレクトロスタティック型ヘッドフォンの絶縁抵抗もきわめて高いので、電流が流れてキャパシター・バンクが放電されるようなことはありません。したがって、キャパシター・バンクを一度公称バイアスまで充填しておけば、充填されたキャパシター・バンクをバイアス電圧のところで「フロート」させておくことができるのです。
このワンタイム充填を実現するために、私たちは非常に高い周波数(約750kHz)のスイッチング・システムを用いています。このシステムは、完全にシールドされた小さなトランスと、新種の超高速高電圧整流回路を使っています。さらに重要なのが、このシステムはキャパシター・バンク内に適正なバイアス電圧が確立されると直ちにシャットダウンするという点です。
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たとえ空気を通してでもわずかな放電は起こるので、キャパシター・バンクを30秒程度ごとに補填する必要がどうしてもあります。この過程は通常は100万分の数秒(数マイクロセカンド)しかかかりません。というのも、通常は失われた充填を再補填するには、1つあるいは2つのスイッチング・サイクルで十分だからです。
このシステムで生じるいかなるノイズも、それが発生している短時間(めったにありませんが)の間は、中波無線帯域に制限されます。その時間の99.999%以上の間、充填回路は完全にOFFになっています。
結果として生まれたのが、エレクトロスタティック型ヘッドフォンにバイアスを供給するための完璧な高電圧バッテリーです。完全に分離された、独立した2つのバイアス回路が用いられています。1つは230Vの「ノーマル」バイアス用、そしてもう1つは、現代の様々なエレクトロスタティック型ヘッドフォンに対応できる、調節可能なバイアス用です。

シグナル・ルーティング

入力選択用の信号スイッチングの全体は、内部に不活性ガスを充填した、金メッキのシルバー・コンタクト・ミニチュア・リレーを使っています。これによって、接点が長年にわたって新品のままのような状態であることが確保されます。
スピーカーの接続は、密閉したシルバー・アロイ・コンタクト・リレーを使ってスイッチングされているので、スピーカーの信号経路の音質への影響が最小に抑えられています。

ProiESL-logo2.pngピンストライプ・パーマロイ・コア・トランス(PPCT)

Pro iESLに必要とされる、広帯域で低歪みのトランスを作ることは、大きなチャレンジとなります。これを実現するために、このカスタム・トランスは複雑な手巻き方式を採用しています。垂直セクション及び水平セクションに複雑なマルチセクションの巻き方を採用しているのです。これによって、ジーメンス社(ドイツ)とピアレス・トランスフォーマー社(アメリカ)が打ち立てた基準を超えたものとなっています。5Hz~60kHz(-3dB)の帯域幅を持ったPro iESLのトランスは、JAS(日本オーディオ協会)の「ハイレゾ」ロゴの要件をはるかに超えています。

ProiESL-logo4.pngキャパシティブ・バッテリー電源

必要な電圧まで充填されると、充填回路が完全にオフになり、キャパシター・バンクが必要なバイアス電圧のところで「フロート」された状態になります。これは本質的に完璧なバイアス電圧源であり、どの周波数においても電気ノイズが発生することがなくなります。ヘッドフォンが、家庭用電源ではなく、バッテリー・バンクによって電源供給されるからです。

14962032431.pngWIMAキャパシター

もうひとつの高品質な部品がこれで、キャパシティブ電源に最適です。これらの公称1000Vのキャパシターはドイツ製です。鍵となるのは、非常に高い絶縁抵抗と最少の電流漏洩です(電流の漏洩は自己放電を引き起こします)。キャパシター・パックの全体は合計で35,000,000KΩの絶縁抵抗を持っていますが、これは自己放電時間(30%まで)が約100,000秒、あるいは27時間ということです。
ですから、常に(家庭用電源ではなく)バッテリー電源で音楽を聴くことができるということです。

14962032591.pngヴィシェイ社の MELF抵抗器

MELFは、正確性、安定性、信頼性、パルス負荷能力の点では、優れたSMD(表面実装部品)抵抗器のパフォーマンスを示します。MELF機器のシリンダー状の構造によって、Pro iESLにとって最適なパワーレイティングとパルス負荷能力が得られます。MELFは、製造方法がより複雑なので、コストもその分多くかかります。プリント基盤を組み上げる時には、MELFには特別な機械と取り扱いが必要になります。しかしiFiは、それで部品の性能が上がり、最終的に最高のサウンドが実現できるのなら、そういった複雑性にも尻込みすることはないのです。

Pro iESLをPro iCANと一緒に使用する際のメモ

エレクトロスタティック型ヘッドフォンの大半は低能率です。電圧に制限があり、感度も低いため、エレクトロスタティック型ヘッドフォンは一般に大音量で鳴らすことができません。特に、伝統的なダイナミック型ヘッドフォンと比較すると、これが顕著になります。ですから、ダイナミック型ヘッドフォンと同じような大音量で鳴らそうとは期待しないでください。

Pro iCANとPro iESLを組み合わせて使用すると、インピーダンス・コントロールの設定によって、320V RMS(910V PP)(64/96Ωの設定で)から640V RMS(1820V PP)(16/24Ωの設定で)までの電圧を引き出すことができます。

これらは非常に高い電圧なので、エレクトロスタティック型ヘッドフォンの定格電圧の限界を超える可能性があります。ご使用のエレクトロスタティック型ヘッドフォンの許容電圧を確認してください。もしも少しでも疑問がある場合は、インピーダンスを高めに設定してご使用ください。

Pro iESLとPro iCANを一緒に使用する時は、Gain、XBass、3D Soundを無理のない設定にするようにしてください。Gainは9dBの設定、3DとXBassは低めの設定のみをお薦めします。これ以外の設定にすると、アンプとヘッドフォンの両方に過度なストレスがかかる可能性があるからです。

上記の条件下では、Pro iCANのボリュームは最高レベルにまで上げることができるはずです(iFiのDACを使った場合)。保護回路が働くこともなく、Pro iESLのインピーダンスが64Ω~96Ωに設定されていさえすれば、どのようなエレクトロスタティック型ヘッドフォンも損傷することはないはずです。

仕様

  • 最大出力電圧: 640V RMS (16Ω/20V in) 320V RMS (64Ω/20V in)
  • 周波数特性: 5Hz – 50kHz (-3dB)
  • 入力電圧 (Pro iESL): 5V – 9V/1A max
  • 入力電圧 (iPower): AC 85 – 265V, 50/60Hz
  • 消費電力: < 1W
  • 寸法: 213(l) x 206(w) x 63.3(h) mm
  • 重量: 2.5kg (5.5 lbs)

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  • 標準的な小売価格:180,000円(税別)/194,400円(税込)

日本語取扱説明書